09年はイチロー大不調 ロッテ伊東監督語る短期決戦の苦悩
どんな競技でも代表監督とはつらいもの。勝てば名将だが、負ければ采配批判も含めてボロクソだ。小久保監督は14日のキューバ戦の八回1死一、三塁の好機に、今大会ラッキーボーイの小林に代えて、内川を代打に送った。結果は犠飛で得点したが、併殺で、しかも試合を落としていたらどうなっていたか。
過去の大会でも指揮官のベンチワークが幾度となく俎上に載った。連覇した09年は、負ければ大スランプのイチローが戦犯となり、起用し続けた原監督も批判の対象になったことだろう。当時、総合コーチを務めたロッテの伊東勤監督(54)はこう振り返る。
「確かに、あのときはイチロー選手の調子がすごく悪くて、どうしようもない状況だった。あまりに打てないので、原監督に『イチロー君って、あんなに打てないの?』と聞かれたくらい。それに対して、何と返答したかはもう覚えていませんがね。あれだけの選手が打てないとなると、チームの雰囲気も含めて考えないといけなかった」
短期決戦は、ブレーキになる選手の起用法が難しい。それがイチローのような大黒柱ならなおさらだ。09年の決勝は韓国と延長戦に突入。イチローが勝ち越しタイムリーを放って優勝。ハッピーエンドで幕を閉じたが、伊東監督はここまでの小久保采配についてはどう見ているのか。
「(スポーツマスコミなどで)采配がどうだ、こうだと言われているけど、正直、勝てば何だっていいと思うんです」
確かに優勝すれば、すべての雑音を封じることはできるのだが……。