ド派手2塁打の阪神糸井 “らしさ”は初打席の選球眼にあり
両軍計27安打の乱打戦は10-6で阪神が勝利。右膝関節炎の影響で調整遅れが懸念された糸井(35)がいきなり見せた。
1点リードの三回に回ってきた第2打席。無死一、二塁のチャンスに広島先発ジョンソンの甘いカットボールを強振し、移籍初ヒットは左中間を抜く2点適時二塁打となった。四回の第3打席も一塁線を破るタイムリーヒット。バックにも足を引っ張られたジョンソンを四回途中で降板させた。
糸井は広島が4点差に追い上げた直後の七回にも、この日3本目のヒットを左前へ。上本のバント失敗の嫌なムードを吹き飛ばした。
セのあるスコアラーがこう言った。
「4年18億円以上ともいわれる条件で移籍したFA選手です。普通なら開幕戦の初打席からアピールしたいところ。しかも無死一、二塁の好機だったにもかかわらず、糸井は初球、やや外角の直球を見逃し、2ボール1ストライクの後、内角低めのシュート系の球で追い込まれた。その後、ボール球に手を出さず四球を選び、先制点につなげた。糸井はこの5年間、シーズンの平均四球数が71.6。選球眼がいい打者です。最高出塁率(のタイトル)3度(11、12、14年)はダテじゃない。派手なタイムリーより冷静な初打席にこそ、らしさが見えた」