阪神フロントとも思惑一致 金本政権“5年は安泰”の根拠
■阪急の影から死守したい“聖域”
そう考えると、阪神のドラフト戦略もうなずける。
金本監督就任直後の15年ドラフトで外野手の高山(明大)、昨年は内野手の大山(白鴎大)と、2年連続で野手を1位指名した。さるプロ球団の幹部は、「指名選手は金本監督の意向が強く反映されている。昨年、スカウトたちは1位に佐々木(桜美林大=ロッテ)を推していたそうですから」と、こう話す。
「阪神が今年、勝負をかけるというなら、投手を指名したと思う。金本監督は阪神では数少ない生え抜き野手を育てたい気持ちがあるといっても、打者を2年連続で1位指名するのは常に優勝争いをしているチームでもなかなかできないこと。監督というのは何より投手を欲しがるものです。投手は何人いても困りませんから。金本監督にはある程度の時間を預けて、選手を育成してもらいたいと考えているからこそです」
坂井オーナーの存在も大きい。
同オーナーが前任の和田監督に代わる指揮官として金本監督を招聘するにあたり、周辺には反対意見もあった。それをはねのけ、「客も呼べる」という金本監督の人気、話題性も重視したという。