全勝ターンも余裕なく 白鵬が抱える稀勢の里への“嫉妬心”
大相撲5月場所、横綱白鵬(32)が日馬富士と並び、全勝で中日を折り返した。琴奨菊のがぶりにも動じず、元大関を上手出し投げで一蹴。決まった瞬間は「どうだ!」と言わんばかりに満面の笑みを浮かべた。
「できれば前に出たかったけどね。中日勝ち越し? まだまだ、これから引っ張っていきます。当然ちゃ当然」
とは支度部屋での白鵬だ。
もっとも、言葉と裏腹に今場所の白鵬の相撲には余裕がない。顕著だったのが、7日目の大栄翔戦だ。初日から6連敗中とボロボロの相手を張り差しでひるませてから、寄り切った。
■格下力士にも慎重
ある相撲記者が言う。
「確かに白鵬は立ち合いでの張り差しやかち上げなど、横綱らしくない手を得意としている。でも、それを使うのは強敵や合口が悪い相手、あるいは絶対に負けたくない場面などに限っていた。それがよりによって、全敗中の大栄翔に……ですからね。そういえば、初日の千代の国、5日目の御嶽海には立ち合いで張り差しからかち上げという得意技でひるませていた。確かに両者ともに生きのいい気鋭の力士だが、そこまで慎重な相撲を取る必要があったかどうかは疑問です」