13連敗でストップも 巨人弱体化の根底に“失われた10年”
この日の日本ハム戦のスタメン10人(外国人選手を除く)を比べると、08年のドラフト以降に入団したのは巨人3人、日本ハム6人。生え抜きは巨人の4人に対し、日本ハムは8人だ。高卒は巨人3人、日本ハム7人。日本ハムは最近のドラフトで獲得した自前の若い選手が次々と台頭。こちらも6連敗と苦しむが、「未来」があるだけマシである。
■スカウト名簿に「育成の巨人」
高校野球に詳しいスポーツライターの美山和也氏がこう指摘する。
「高卒選手の方が伸びしろが大きく、将来的に球団を支える主力に成長する可能性が高い。これは球界の常識です。かつて清武代表が巨人に在籍していた頃、高校に巨人のスカウト名簿を配り歩いたことがある。その中には『育成の巨人』と書かれていたそうです。受け取ったある強豪校の監督は気味悪がっていましたが、今となっては懐かしい。あの頃はまだ育てる意志があった。最近の高校野球ではすっかり巨人離れが進んでいます」
美山氏が続ける。
「高校から巨人に入団してもロクに育ててもらえず、一軍に抜擢されることが他球団と比べると極端に少ない。2年前に発覚した巨人の野球賭博事件も暗い影を落としています。そして、高校側が最も困惑しているのは、巨人が獲得した有望選手をあっさり手放すこと。これが高校側のアレルギーとなっているのです」