13連敗でストップも 巨人弱体化の根底に“失われた10年”
毎年のように繰り返されるFA補強。大物を取れば、プロテクトできる28人以外の選手が相手球団に「人的補償」として指名される。これまで何人もの若手が流出した。
「最近では11年ドラフト3位の一岡が広島へ、13年4位の奥村は巨人でたった1年を終えたところでヤクルトへ移籍した。高校球界で『まだ1年しかやってないのに巨人はリストに入れなかった』とブーイングが起きた。同年5位の平良もしかり。最後の夏の沖縄大会は巨人のスカウトだけがチェックできたそうです。それなのに、こちらも昨オフに人的補償でDeNAへ。毎年山ほど獲得している育成契約の評判も良くありません。新設された三軍の試合のためだけのメンバーだと、高校やアマチュア側はそう見ています」(美山氏)
ある強豪校の監督は実際、巨人のスカウトにこう頼んでいるという。
「どうせ使ってくれないんだから、うちの選手を指名しないでくれ」
ドラフトはチームづくりの根幹。この10年間で、肝心なその部分が完全に崩壊した。今後を考えると、連敗が止まったことを喜んではいられない。