故障続きで最下位も…ヤクルトの二軍好調は“ケガの功名”
「相変わらずケガ人が多い。管理体制はどうなっているのか」
株主から厳しい声が飛んだのは、21日に行われたヤクルトの親会社・ヤクルト本社の株主総会でのこと。川端、畠山ら主力の相次ぐ故障もあり、リーグ最下位に低迷する現状を見れば当然の指摘だろう。
リーグ優勝した2015年も野手にケガ人が続出。二軍の野手が足りなくなって急きょ、打撃投手を育成契約したくらい。故障者を減らすことはここ数年の課題でもあるが、一方で希望がないわけではない。このところ、やけに二軍の元気がいいのだ。
6月に入って8勝2敗2分け。首位で並ぶ巨人と楽天に次いで、イースタン・リーグ3位。ヤクルトOBは、「『ケガの功名』になっている部分もあるでしょう」とこう続ける。
「二軍はリハビリ組が多く、一軍メンバーが親子ゲームに出場しない限りは野手9人がフル出場せざるを得ない状況が続いている。捕手が一塁や三塁を守るケースもあるが、そのことで野手はより打席に立ち、守備機会を得ている。経験を積むことができるのです。昨年のドラフト5位の捕手・古賀(明徳義塾)は高卒1年目にもかかわらず、ここ数日はスタメンマスクをかぶっている。多くの出場機会を得ることによって技術や経験値はアップ、精神面も鍛えられていることが好結果を生んでいるのではないか」
ファームの躍進が、結果として一軍の戦力を押し上げるようなら、光も見えてくるのだが。