“長嶋超え”新人154安打 西武・源田の打撃力をコーチ解説
ミスターを超えた。西武の源田壮亮(24)が3日の楽天戦で今季154安打目となる適時三塁打を放った。1958年に巨人の長嶋茂雄(現終身名誉監督)が22歳のときに記録した新人シーズン安打数「153」を超え、歴代単独3位に浮上。西武は残り2試合あるので、1948年に笠原和夫(南海)がマークした歴代2位の「160」も視野に入ってきた。
前日に長嶋超えにあと1本と迫りながらこの日は七回まで4タコ。九回の5打席目に左中間を抜く三塁打を放った。
「記録」への意識が強かったのかと思いきや、「全然考えてなかった。でも、コーチとかチームメートに『おめでとう』と言われたので、それはうれしかったですね。1年目でここまでできるのはびっくりしているけど、これだけで終わらないようにもっと成長していけたら」と冷静だった。
源田の打撃について、嶋打撃コーチはこう語る。
「タイミングの取り方がうまく、崩されても瞬時に反応できるハンドリングのうまさがあるので、ミスショットが少ない。広角に打ち返すことも得意なので、周りの状況を見ながら自分で考えて打席に立っている。状況判断のできる賢い選手。バントひとつとっても、セーフティーにするかプッシュにするか、守備位置を見ながら自分で判断するだけじゃなく、その考えを忠実に実現できる能力がある。自分の思ったところにきちんとバットを出すのは簡単なことじゃないので。(春季)キャンプのときは、まだひ弱さがあって、上半身と下半身の連動がうまくいっていなかったので、パーツごとの動きを確認しながらフォームをつくっていった。何よりケガをしない子なので、そのタフさもありがたいですね」
ただ打つだけではない。「走攻守」三拍子揃った源田は現在、盗塁数もリーグ2位の「37」。81年の石毛宏典が記録した球団新人最多盗塁数「25」をすでに抜いている。パ・リーグ新人王の最有力候補だ。