オリは3年9億円 FA増井マネーゲームで蘇る巨人のトラウマ
日本ハムからFA宣言している増井浩俊(33)と22日に初交渉を行ったオリックスが、破格の条件で先手を打った。海外FAでのメジャー流出が濃厚となっている平野と14年オフに結んだ際の3年総額9億円と同等の条件を提示したというのだ。
増井には他に、新外国人選手獲得のため中南米を視察していた森監督が帰国した中日も興味を示している。
「オリックスの提示した条件は、巨人の想定を超えていたのではないか。巨人は3年7.5億円程度を用意しているとみられていたが、オリックスの9億円はそれをはるかに上回る。巨人は4年以上の契約年数も視野に入れた大幅な上方修正を強いられそうなのです」(球界関係者)
上方修正といえば、巨人には1年前の苦い記憶がある。DeNAからFAで獲得した山口俊(30)である。当初、「3年総額6億円」を提示したが、中日の参戦によってマネーゲームに発展。結局、「4年総額8億円」と大幅に条件を上積みし、なんとか獲得した過去がある。
「しかし、その山口俊は右肩を痛めてわずか1勝(1敗)に終わっただけでなく、酒を飲んで暴行事件を起こしたことで、後に球団が契約年数を削った、と選手会にかみつかれる事態に発展。マネーゲームの先にはロクなことが待っていないというトラウマが球団にはある。かといって札束を積まないことにはオリックスに負けてしまう。過去の巨人のFA戦線は表向き、07年オフに中日から米カブスに移籍した福留の1敗だけ。新たに西武の野上取りにも参戦するが、だからといって増井から降りるわけにもいかない。プライドのために条件を上げざるを得ないのはジレンマでしょう」(前出の関係者)
巨人で決まりだったはずが、オリックスの本気参戦で、レースは混沌としてきた。