「男なら…」ヤクルト1位・村上宗隆を育てた父親の教育観
「返事が聞こえんと!」
ヤクルト1位・村上宗隆(捕手・17歳・九州学院高)の父・公弥さん(44)は、3人の息子たちを厳しくしつけた。次男である村上が小学生のころ、小さな声でおざなりな返事をして、「そんな小さい声で人に伝わると思っているのか。伝わって初めて返事なんだ」と叱ったことがある。挨拶や食事のマナーも同様だった。公弥さんは柔らかな語り口ながら、子育ての姿勢についてキッパリとこう言った。
「私の父が警察官で礼儀やマナーに厳しかった。食事はちゃぶ台を囲んで父が上座に座り、正座して食べた。箸の持ち方に始まり、ご飯は一粒残さず食べるのは当たり前。次男のムネ(宗隆)たち3兄弟を育てるにあたり、礼儀作法がしっかりできる人間になって欲しいと思い、彼らが小学生のころまでは口酸っぱく言ってきた。ときには手を上げたこともあります」
東海大の投手である2学年上の兄・友幸さんをはじめ3兄弟はみな野球をやっている。公弥さんも野球少年だった。熊本の強豪校でショートを守っていたが、1年のときに右肩のケガで野球を諦めざるを得なくなった。加えて「中学に入ったら息子たちの人生」という考えもあり、野球に関して強制したことはない。「頑張りたいなら頑張れ、努力だけは怠るな」というスタンスで接した。