「男なら…」ヤクルト1位・村上宗隆を育てた父親の教育観
「入部してきたころは160センチ強と決して大きくはなかったが、とにかく元気な子で、先輩にも臆することなく声掛けができた。何より飛距離はケタ違いでした。100メートルを超えた打球は数え切れません」
こう証言するのは、村上が中学時代に在籍していた熊本東リトルシニアの吉本幸夫監督だ。1998年のドラフトでダイエー(当時)に1位で入団した吉本亮(現ソフトバンク三軍コーチ)の父でもある。
「ムネのころに使用していたグラウンドは右翼が85メートルほど。その後ろの民家に打球が直撃したこともある。あまりに飛ばすのでネットを地上13~14メートルまで高く延ばしたのですが、それでもネットを越えていく。『なるべく左中間方向に打て』と指示をしても、約110メートルの中堅後方の小屋にぶち当てるほどでした」
同シニアには今、中1になる村上の弟が在籍、公弥さんは副理事を務めている。
九州学院高では1年時から4番を務めた村上は、外れ1位として3球団の競合の末、ヤクルトに指名された。契約金8000万円、年俸720万円。10年ほど前に脱サラし、不動産会社を経営する公弥さんはこんなメッセージを送る。