SBドラ1吉住晴斗は難関育成プロジェクト突破の超エリート
山形・庄内に「氷友会」という団体がある。ソフトバンク1位の吉住晴斗(17歳・鶴岡東)の父・英則さん(44)は、会の元代表だ。はて、「氷友会」とは?
「庄内各地の調理師でつくる団体で、氷の彫刻などを作製します。1本1メートルの氷柱を重ね、ノコギリやノミなどを使って削り出していく。結婚式やイベントで鳳凰や鶴の氷彫刻なんかを見たことがありませんかね? そうそう、あれです。会の元代表? いやいや、私の場合はジャンケンで負けて引き受けた、名前だけの元代表ですが……」
そう謙遜して話す英則さんの仕事はつまり、調理師である。
酒田市にある天真学園高校の調理科を卒業し、東京・神田駿河台の「山の上ホテル」に洋食のコックとして就職。川端康成や三島由紀夫が定宿とし、「文人の宿」として知られる名門ホテルで3年間、腕を磨いた。地元に戻った後は結婚式場に勤め、今は斎場で腕をふるっている。母の真由美さん(46)も同じ高校の調理科を卒業した同窓生。現在は母校の調理実習補助員として後輩の指導を手伝っている。どちらも「食のプロ」である。