謹慎明けて半年 バド桃田賢斗“推薦”で代表早期内定の裏側
日本協会の銭谷専務理事は、桃田のA代表内定について「(公式戦)復帰後の国際大会の結果など、トータルで判断した」と説明したが、特別枠候補は桃田以外にもいる。にもかかわらず、あっさり桃田に決めた裏には、日本バドミントン協会の焦りが透けて見える。
■内部反発の懸念も
バドミントンが正式競技化した1992年バルセロナ以降、男子はシングルス、ダブルス共に五輪メダルはゼロ。シングルスはロンドン、リオと2大会連続の準々決勝敗退で、メダル争いにすら絡めていない。
協会にとって男子の強化が一番の懸案事項。JOCが東京五輪に向けて掲げた「金メダル30個」「金メダル数世界3位」の目標もプレッシャーになっている。騒動前の桃田は世界ランク2位で、リオに出場していればメダルは確実といわれていた。代表復帰はかなり早い段階で「当確」が出ていたかもしれない。
その一方で、「時期尚早」という声も少なくない。闇カジノ事件前の奔放な言動と殿様扱いだった桃田の過去を知る関係者からは「強ければ不祥事はすぐに帳消しになるのか」「暴力団の資金源につながる闇カジノに出入りしていた事件。軽視しすぎている」と不満の声もある。協会と現場が一枚岩で東京五輪のメダルを目指せるか、疑問が残る。