いまだ氷上に乗れず…羽生結弦の怪我長期化に専門医見解
「古傷によってすでに靱帯が緩くなっている可能性が高い。捻挫が重なると、足首がグラグラして、疲労がたまるとくじいてしまうようになります。リハビリで足首を強化することになりますが、フィギュアスケートの場合、舞台は氷の上。温かい陸上と冷たい氷上でのリハビリでは、筋肉の動きが全然違う。寒いところでは筋肉が縮こまり、思ったように動かない場合もある」という若月院長は、さらにこう続ける。
「捻挫をしたとき、安静にするのは1週間程度。それ以降は少しずつでも運動した方がいい。1カ月後は安静にする時期ではありません。例えば、骨折したときギプスをつけて動かない状態にしますが、外したとき痛みが出て動かせないように、安静にしすぎても良くない。何度もケガをしている箇所で、五輪に出る一流アスリートであれば、怖さが痛みになっているかもしれません」
平昌五輪の男子シングル・ショートプログラムは来年の2月16日。あと2カ月しかない。1週間後に迫った全日本選手権への出場は無理でも、昨季の世界選手権優勝など、過去の実績から「特別枠」での平昌五輪出場は確実といわれる。しかし、今もリンクに立っていないようでは、金メダルはおろか、まともな演技さえも難しい。五輪代表にするのは、逆に酷ではないか。