大谷“投手成功”は硬いマウンドと滑るボールの対応がカギ
「状態は今いい。キャッチボールもそこそこやれている」
先日、大谷翔平は10月にPRP(多血小板血漿)治療を受けた右ヒジの現状をこう語った。
軽度の内側側副靱帯損傷がわかり、あくまで予防的措置という。靱帯が無傷であるに越したことはないが、投手をやっている以上、軽度の損傷はつきものだ。何より大谷がメジャーで成功する上でカギを握るのは、日本とは違うマウンドとボールへの対応だろう。
日本と比べてメジャーのマウンドはかなり硬い。日本ハムの本拠地・札幌ドームのマウンドも12球団の中では赤土で硬いとされているが、メジャーでは「クレーベース」というレンガを崩したような粘土質の硬い土で造られている。公式球についても縫い目が高い上に一定でなく、革質も滑りやすい。スライダーなど横の変化は日本の統一球より曲がりやすく、フォークなど縦の変化は落ちづらいといわれる。
大谷はプロ入りして5年間で、メジャー仕様のマウンドとボールを使う国際大会の経験が少ない。2014年の日米野球で、2試合に登板し、計5イニングを2失点に抑えたものの、マウンドに上がったのはその時だけだ。ちなみに、15年の「プレミア12」の公式球はミズノ社製のボールだった。
2月から米アリゾナで大リーグ生活が始まる。乾燥地帯だけに、まずはパサパサのボールと格闘することになる。