東京五輪メダルが重圧に 日本でアスリート犯罪続出の恐れ
「東京五輪を国威発揚に利用しているだけです。『世界3位』を口にするのも、(リオで70個のメダルを獲得した)中国に対する意識が強いからこそ。(国が)メダルの勘定ばかりするのは今に始まったことではありませんが、メダルを取れなかった選手は周囲から疎外される。そういう空気があるから、みな『日の丸を』と口にし、メダルばかりを目指す成果第一主義になる」
さらに谷口氏はこう続ける。
「原因は教育にあります。例えば、学校の部活動で競争と勝利だけを求める成果主義を植えつけられる。歴史は根深いのです。選手は自分で自分を追い込み、国家のための道具にされてコントロールされている自覚もなく、メダルを目指す。今回のカヌーの事件は、それが一番悪い形で出た例です。このファシズム社会が進めば、人間性を失い、精神的に追い詰められ、過ちを犯す選手が増えていくでしょう」
■「うっかり」と「無知」が命取り
昨年9月には、競泳日本学生選手権に出場した大学4年の男子選手がドーピング検査で陽性反応を示した。先日、予備の検体でも陽性であることが分かり、国内の競泳選手で初の薬物違反が確定。服用していたのは海外製のサプリメントで、製品ラベルには禁止されていた成分の記載がなかったという。