実業団は駅伝優先 東京五輪後に消滅危機のマラソン大会が
20日に大阪国際女子マラソン(来年1月28日)の会見が行われ、出場選手が発表された。
五輪代表を決めるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ=2019年9月以降開催)の出場条件は、「日本人1~3位なら2時間28分以内、同4~6位なら同27分以内」。すでに女子は、MGC切符を獲得できる2レースを終えているが、出場権を得ているのは8月の北海道マラソンで優勝した前田穂南(21)1人だけ。11月のさいたま国際からは出なかった。
さいたま国際のコースはMGC出場権の獲得条件(記録)が、大阪と名古屋より1分甘い。それでも、2週間後に全日本実業団対抗女子駅伝があるので、指導者は選手をさいたまに出さない。マラソンで五輪を狙うなら1月の大阪国際や3月の名古屋ウィメンズにコンディションを合わせればいいと考えている。
陸上関係者が言う。
「男子も元日に実業団の駅伝がある。女子と同じ理由で12月の福岡国際を嫌う指導者もいる。最大の注目を集める東京五輪の代表選びと本番が終われば、軽視されている大会への影響は避けられない。例えば、福岡国際は今の大手スポンサーとの契約が19年で切れる。それ以後は未定だ。五輪が終われば経費の問題で大会自体が消えるか、誰もが参加できる市民大会に衣替えするかも知れないとの話も聞く。女子のさいたま国際は、直後に駅伝が控えているだけでなく、コースにアップダウンがあり、強い風が吹くことも選手に嫌われている。実業団のトップ選手が出なければ、代表選考対象レースから外れるかもしれません」
駅伝栄えてマラソン滅びるか……。