鶴竜と並び1敗キープ 栃ノ心は“握力90キロ超”の稽古の虫
「ハァー、危なかったねえ」
風呂から上がった栃ノ心(30=東欧のジョージア出身)が、支度部屋でほっと一息ついた。
1敗で迎えた昨24日は宝富士と対戦。過去の対戦成績7勝7敗と五分の相手に苦戦するも、起死回生の突き落としで1敗をキープした。
「明日のことは、(寝て)起きたら考える。また気合入れて……じゃなくて落ち着いて。気合入れたら、今日みたいな相撲になっちゃうから」と笑顔を見せた栃ノ心。この日は全勝の横綱鶴竜が初黒星を喫し、ともに1敗で優勝争いの最前線に躍り出た。
師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)が言う。
「ファイティングスピリットが凄い力士ですよ。強くなりたいという気持ちが強く、そのための努力を惜しまない。入門前は相撲をまったく知らなかったから最初は突っ張りとかいろいろ教えたけど、今は左上手の右四つ。私も現役時代は右四つだったので、弟子の中では一番教えやすかった」
腕力は幕内随一。9日目は164キロの御嶽海を豪快に吊り出した。