正攻法自信なし? 白鵬が3月場所出場を明言できないワケ
26日に発表された、大相撲3月場所(11日初日=大阪)の新番付。白鵬(32)は横綱在位64場所目となり、北の湖の63場所を抜いて、歴代1位の在位記録となった。
白鵬は「綱を10年張れたら横綱中の横綱になれると思っていた。(記録は)夢だった」と話すも、肝心の3月場所の出場は明言せず。先場所負傷した左足親指の状態が気になるのか、「実際にぶつかり合った時にどうなるか」と、語るにとどめた。
昨年11月場所中に発覚した日馬富士暴行事件から続く一連の騒動で、白鵬は「モンゴル互助会の親玉」だ何だのと、非難のターゲットになった。
ただでさえ、乱暴な相撲に顔をしかめていたファンは少なくなかっただけに、事件によるこのモンゴル横綱への批判は火に油を注ぐがごとく大燃焼。普段は弱腰の横綱審議委員会が、「張り手、かち上げが15日間のうち10日以上ある。これは横綱相撲とは言えない、美しくない」と厳しく注意したのも、世論に背中を押されてのことだろう。
そうした批判を吹き飛ばすためには正攻法で実力を見せつけ、「やっぱり白鵬は強かった」とファンに思わせるしかない。しかし、悲しいかな、今は白鵬自身、自分の相撲に半信半疑ではないか。ヒジ打ちや張り差しを封じられた先場所は2勝2敗で5日目から休場。ケガにかかわらず、往時のような圧倒的な相撲は取れないのだ。
まして、3月場所では暴行事件の被害者、貴ノ岩も復帰する。貴ノ岩への声援が大きいほど、白鵬にも容赦ない罵声が飛ぶだろう。本場所出場すらもおっかなびっくり。平成の大横綱の落日も近い。