日本式キャンプの無意味さ 10年ぶり巨人復帰の上原が証明
上原浩治(42)が巨人に復帰し、がぜん興味が湧いてきたことがある。
10年ぶりに戻ってきた日本球界で、彼がどれくらいの成績を残すか――ということではない。
来月3日で43歳になるものの、カブスで49試合に登板した昨季も、投げるボールに衰えは見えなかった。
全盛期に比べたら球速こそ落ちたとはいえ、140キロちょっとのストレートでメジャーの強打者と渡り合っていた。特有のコンパクトで鋭い腕の振り、抜群のキレと制球力があるからこそで、だから決め球のフォークもいよいよ効くのだ。
昨季は43イニングで50奪三振。メジャーでは、8年連続で奪三振数が投球イニング数を上回っている。スピードに頼らない上原の投球には、年齢からくる衰えによる影響が少ない。巨人でも間違いなく戦力になる。
気になっているのは、別のことである。
具体的な数字はともかく、上原が今季、セットアッパーとして1年間、フルに働いたとする。そのとき、球界の内外から「やっぱり日本式のキャンプってバカらしくないか?」と疑問の声が上がるのではないか。それに期待しているのだ。