反省の弁は保身が目的か 貴乃花親方に“面従腹背”の過去
「とにかく矜持も節操もない人ですからね」と、あるベテラン親方がこう続ける。
「裏金顧問はもともと北の湖理事長の右腕として協会内部を牛耳っていた人物。自分にたてつく親方は、たとえ理事だろうと弱みを握って追放したり、理事候補選で落選させたりしてきた。北の湖理事長の容体が悪化すると、貴乃花親方支持に回ったのですが、貴乃花親方に乗り換える前に実は八角親方にもすり寄っているのです。八角親方が自分に猜疑心を抱いていると知って貴乃花親方に鞍替えしただけで、要するに裏金顧問はやりたい放題できる地位というか立場が欲しいだけ。さすがに貴乃花親方が協会内部のほぼ全親方を敵に回して崖っぷちのいま、付け入るスキはないでしょうけど、のど元過ぎれば何とやら。ほとぼりが冷めるのを待って、水面下で貴乃花親方を担ぎ出しますよ」
テレビなどで「自分は中立の立場」と強調する宗像紀夫元外部理事にしても、結果として貴乃花親方を援護している。月刊誌「WiLL」4月号には「法理にかなった貴乃花の『言い分』」という記事を寄稿。日馬富士暴行事件における危機管理委員会の調査や、貴乃花親方の解任はおかしいという主張に加えて、部屋で暴力事件のあった春日野親方に理事の資格はないとか、理事候補選の選挙方法に問題があるとか……。内閣府のさる関係者によれば、その中身は「貴乃花親方が提出した告発状にそっくり」だそうだ。
貴乃花親方が窮地に追い詰められている現在はともかく、これまで貴乃花親方を担ぎ、執拗に協会に刃を向けてきた彼らが今後、指をくわえているとは思えないのだ。