5月場所出る気満々 稀勢の里復活のカギは「相撲勘」の回復
「今年に入ってからのケガは、あくまで休むための方便でしょう。昨年、大阪場所で負ったケガなんて、とっくに完治している。トレーニングには熱心だったようなので、衰えた筋力も戻っているはず。問題は相撲勘、実戦感覚が戻っていないことです。稀勢の里は横綱に昇進するまで、長期間の離脱は経験したことがなかった。ただでさえ不器用な力士ですからね。初場所がそうだったように、感覚がズレているから何もできず、突っ立ったまま負けてしまう。今は相手を問わず、ひたすら相撲を取って勘を取り戻すのが先決です」
稀勢の里は部屋では弟弟子の高安、巡業や出稽古でも同門の琴奨菊、嘉風といった一部の力士ばかりとしか相撲を取らない傾向がある。しかし、いつも同じ相手とばかりでは相撲勘は取り戻せない。
芝田山親方(元横綱大乃国)はかつて日刊ゲンダイの取材に、「(稀勢の里は)やりやすい相手とばかりやっても意味がない。むしろ嫌な相手と積極的にやるべき」と話していた。
5月場所初日まであと1カ月。やるべきことは多い。