大逆転&日本人最速V 小平は「マスターズ戻る」公約実現
■「マスターズの緊張をほぐす試合」
会場のハーバータウンGLは、ヒルトン・ヘッドにあるリゾートコース。通常のトーナメントコースに比べれば難易度はそれほど高くない。「それに……」と、米ゴルフ事情に詳しいスポーツライターの吉川英三郎氏がこう続ける。
「この大会は、前週のマスターズの緊張をほぐす試合ともいわれている。トップ選手たちはもちろん気を抜いてプレーしているわけではないものの、世界ランク1位のD・ジョンソンも大会中にバハマに観光に出かける話をするなど、ギラギラした目つきの選手は少ない。小平はマスターズからショットが非常に切れていた。世界屈指の難グリーンといわれるマスターズのグリーンを経験した直後ですから、パットに神経をすり減らすこともなかった。2日目にコースレコード(61)に迫る63のビッグスコアを出したのも偶然ではないでしょう。上位争いできる条件が揃っていたとはいえ、チャンスをモノにしたのは立派です」
今季PGAツアー6試合目の優勝により、2年間の米ツアーシード権を手にした小平は、同時に来年のマスターズのキップも獲得。先週のマスターズ最終日は72。スコアを伸ばせず28位タイでオーガスタを去る時、「来年は60台のスコアを出すために必ず戻ってきます」と宣言した。まさか、その翌週に「公約」を実現するとは誰も予想していなかったが、唯一の例外は美保夫人ではなかったか。