フライボール革命によって本塁打を打つ練習が可能になった
「次に出塁率の高い選手に、相手にダメージを与える長打率を付加するため、どのようにバットをボールに当てればいいかを指導するわけだ」
昨今、言われる「フライボール革命」はこういった考えから始まったといえる。
少年野球やリトルリーグのレベルから大学野球に至るまで、米国の選手は打球を転がすのはいいことだと教えられてきた。
しかし、今のメジャーは違う。各球団に細かいデータが浸透。打者による打球の方向が、より細かく、具体的に分かるようになった。それに従って極端な守備シフトが敷かれる間を、ゴロで抜いてヒットにするのは至難の業。だったらシフトの頭の上を越す打球を放ってしまえ、ということだ。
この先にあるのは、どれだけの速度、どれだけの角度でボールを打ち上げれば、外野手の頭を越す打球になるのかという点だ。
■時速160キロ以上、25~35度
この打球の速さと角度の関係から「バレル」と呼ばれる指標が誕生、これにより本塁打を打つための理想的な数字がはじき出された。それは時速160キロ以上、25~35度の角度で放たれた打球は本塁打になりやすいというものだ。