栗山監督の悩みどころ 清宮1軍昇格の“壁”は中田のプライド
怪物が目覚めた。
日本ハムの清宮幸太郎(18)が、20日の二軍戦(ロッテ)で“プロ1号”を含む2本塁打をかっ飛ばした。「3番・一塁」で出場し、三回にロッテ先発の西野から逆転3ランを放つと、七回にも西野から3ラン。2本目は右翼の防球ネットにぶち当てる特大弾だった。
「1本出てほっとした」
とは試合後の清宮。一方、栗山監督はさも当然といった口ぶりで、「前に進み始めたね。体が元気なら結果を出す。普通に打てば(本塁打は)入るはずだから」と話すも、心中は欣喜雀躍であることは疑いようもない。日ハムはもっか3位だが、投打ともに数字だけを見れば最下位でもおかしくないほど。チーム防御率3.81はリーグ3位。打線も打率.234は4位ながら、57得点はドベなのだ。
栗山監督は清宮の一軍昇格は明言しなかったものの、可能ならすぐにでも、というのがホンネだろう。しかし、そうなると「あの男」と清宮を天秤にかけなくてはいけない。中田翔(28)だ。
中田は左翼も守れるとはいえ、一塁が専門。一方、清宮を一軍で起用する場合も、一塁かDHしかない。DHには腰のヘルニア手術明けの近藤がいるので、清宮昇格なら必然的に中田は左翼にはじき出される。