ビジネス化の実現遠く…アマチュアリズムと補助金の高い壁
アメフトしかり、大学野球しかり。デューク大やノートルダム大といった私立の名門大学は田舎にあることが多い。地元愛が強いのは米国人かたぎ。こうした熱狂的ファンが、大学スポーツ人気を下支えしているという。
■ビジネス化実現は難問だらけ
翻って日本の大学スポーツはどうか。たとえば、正月恒例の箱根駅伝は、寒さの中、沿道に多くのファンが詰めかけ声援を送る。テレビ視聴率も高く、真っ先にビジネスモデルになりそうだが……。
スポーツビジネスに詳しい早大スポーツCSR研究会の松野弘会長がこう指摘する。
「アメリカと日本では大学スポーツの立ち位置と取り巻く風土が全く違います。ビジネス化の基盤はないも同然だし、実現への道のりは難問だらけでしょう。その障害のひとつが、アマチュアリズム。要するに、学生を使って金儲けをすることを是としない風土。大学スポーツは教育の一環であり、ビジネスとして認められていないのです。
ただ、スポーツは大学のPR、広報のためという考えはある。スポーツで有名になれば志願者が増える――という構図です。現状ではそこまでが限界ですね」