箱根駅伝4連覇の青山学院 駅伝選手や教職員への恩恵は?
新春の風物詩である箱根駅伝。視聴率が30%に迫る日本で最も人気の高いスポーツコンテンツのひとつだ。そのドル箱の駅伝で2015年に初優勝を飾り、現在4連覇中なのが青山学院。だが、学生たちがどんなに頑張って走っても、大会主催者から出場校に支払われる分配金は一律200万円だという。
青学の陸上競技部の選手は現在44人。スポーツ推薦制度こそあるが、学費は一般の学生と同じで免除や減免規定はない。社会情報学部の初年度納付金は約152万円で、寮費や合宿費も含め、親の負担は相当なものだ。一方、大学スポーツをビジネス面で成功させているのが、アメリカのNCAA(全米大学体育協会)だ。NCAAが得ている収入は9億ドル(1000億円)ほどで、その87%は3月のマーチマッドネス(NCAA男子バスケットボール選手権)からのもの。それを原資として、奨学金20%、バスケットの競技成績に応じた分配金20%、遠征費10%と続き、他に学業援助、興行費用と保険、栄養補助などに使う。
NCAAは一部で商業主義との批判もあるが、選手に学業との両立を課し、単位不足の学生は試合に出場させない規定もある。日本でも全日本学生柔道連盟が単位不足の学生を出場させない規定を設けているが、ごく例外といっていい。