<1>現場では「潰せ」「ぶっ倒せ」は日常的に飛び交う
「このチームには殺人本能をもったヤツはいないのか」
NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の49ersなどで活躍、パスキャッチ歴代2位の1万5934ヤードの記録を持つWR(ワイドレシーバー)テレル・オーウェンスの言葉である。低迷するチームにキレて、コーチや選手に向かって怒りをあらわにしたのだ。
トラブルメーカーとして、悪名を馳せた選手の暴言と受け取られるかもしれないが、勝利へのパッションのほどが伝わってくる。今年2月、殿堂入りのメンバーに選出された。
日本のカレッジフットボール界は日大アメフト部の悪質タックル問題で大揺れである。当該選手は学生日本代表に選ばれ、昨年の甲子園ボウルでも活躍するなど将来を嘱望されるプレーヤーだった。
「QB(クオーターバック)を潰してこい」
「相手のQBがケガをして秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう」
内田正人前監督らから指示されたという。