<1>現場では「潰せ」「ぶっ倒せ」は日常的に飛び交う
頭ごなしに精神主義を押し付けるタイプではない。学生ともコミュニケーションをとり、個人的な相談にも乗る。それでも、練習、試合となれば別である。
「危険なスポーツですよ、アメフトは。プレーした者にしか分からないでしょう。ケガをしない、相手を傷つけないために心身を鍛え、指導者は厳しく接するのです」
それでも、アクシデントは起きる。ディフェンスの強烈なタックルを受けて、選手生命を絶たれる重傷を負うプレーを目の当たりにしたことがある。
今回の件でテレビ出演していたアメフト経験者のコメンテーターが「危険なスポーツと思われるのが悲しい」と話していた。次代を担う高校生や保護者が離れていくのを懸念したのだろうが、違和感を覚えた。
危険だからこそ、さまざまな準備をして臨む。何か起きてからでは遅く、取り返しがつかなくなる。“こんなはずでは”じゃあすまされない。
アメフトの現場では「潰せ」「ぶっ倒せ」は日常的に飛び交う。アメフト関係者は実態をさらけ出し、真相を語るときである。
(つづく)