日大に内部抗争勃発 体育会OBの支配体制に教職員が蜂起
アメフト部の騒動で大揺れの日大に、新たな登場人物が現れた。週刊新潮の最新号にも「黒幕コーチ」と書かれている、井ノ口忠男理事である。井ノ口氏は内田正人前監督の2年後輩にあたるアメフト部OB。大阪を拠点にさまざまな事業を展開する実業家で、昨年9月に突如として日大の理事に抜擢された。
「日大のトップに君臨する田中英寿理事長の覚えがめでたく、私設秘書のような存在。内田前監督が取締役を務める『株式会社日本大学事業部』の業務を実質的に取り仕切っています」(ジャーナリストの伊藤博敏氏)
日大事業部は、日大の公式グッズや日大生向けの保険、事務用品の販売や学生寮の管理・清掃などを事業とする株式会社だ。民間調査会社によると、昨年の売り上げは約70億円。井ノ口氏は有能なビジネスマンということになるが、さる日大の関係者によれば、「相撲部総監督でもある田中理事長を頂点にし、人事担当の常務理事として内田前監督が人事の権力を握り、井ノ口理事がカネの面を担う。年間予算2000億円超の巨大学校法人を相撲部とアメフト部の3人が牛耳るといういびつな体制に、当然のことながら、教職員を中心とする関係者からは批判と不満の声が噴出していました」という。