日大に内部抗争勃発 体育会OBの支配体制に教職員が蜂起
■評議員会に自浄能力はなし
今回のアメフト部の不祥事と大学本体のお粗末な対応が騒動を拡大させると、日大教職員組合が真っ先に大学執行部の責任を追及する声を上げ、「日大のあり方(姿勢、体質、構造)に対する批判を受け止め、反省し、人事と人心を一新」することなどを求める声明文を発表。続いて教職員組合文理学部支部も声明文を出し、「大学法人本部の危機管理能力欠如を露呈」「大学側の不誠実さを広く世に知らしめた」などと厳しく批判し、同じように理事会と本部の人事刷新を迫った。アメフト部の悪質な反則プレーを組織の抜本的改革につなげる腹なのだ。
「今回の問題が起きて以降、日大は理事会、評議員会を開いていますが、社会問題化している一連の騒動について、議論すら行っていないといわれる。現在の理事会、評議員会に自浄能力がないことは明白です。4選目に突入している田中理事長が3期9年の間に反対勢力を排除し、支配体制を固めたからです。教職員はもちろん、歴代の理事や校友会が決起し、外部から改革を実現していくしかありません」(前出の伊藤氏)
この日、アメフト部の森ヘッドコーチら3コーチが辞意を示していることが明らかになった。指導者の刷新は不可欠だが、総取っ換えが必要なのはアメフト部だけではなさそうだ。