巨人岡本が4番で初無安打 由伸監督は原前監督を反面教師に
「成否の鍵を握るのは、本人以上に由伸監督だと思いますね」
巨人OBの評論家、高橋善正氏がこう言うのは「4番・岡本」のことである。巨人が連敗を3で止めた昨6日の楽天戦、4番に座って4試合目となった岡本和真(21)は抜擢後、初めて無安打に終わった。
「この先、岡本が調子を落とすこともあるでしょう。例えば、数試合無安打が続き、チームも負けが込む。そんなとき、ベンチはどうするか。それでも、岡本を4番で起用し続けるか。その対応によって、岡本が押しも押されもせぬ本物の主砲に育つか、待望の生え抜き4番構想が頓挫するのか、分岐点になる。一度、打線の中心に据えたからには本人のためにも巨人の将来のためにも動かすべきではない。安易に外せばせっかく伸びかけた成長の芽を摘むことになりかねない。由伸監督の覚悟と我慢が問われる。原前監督は4番を4番目の打者と考えるところがあった。4番を取っ換え引っ換えしたことが、阿部以降の4番を固定できなかった要因になりましたからね」(前出の高橋氏)
前任の原辰徳監督は4番をコロコロと替えた。在任計12年間で起用した4番打者は実に19人。その中には、二岡やボウカー、中井と、たった1試合の「主砲」で終わった選手もいる。2014年にはシーズン途中にキューバから獲得し、2カ月以上の実戦ブランクがあったセペダを、来日3日目にいきなり4番で初出場させたこともあった。
打線がつながりを欠くというチーム事情があるとはいえ、由伸監督も打順に関しては腰が落ち着かないタイプだ。この日までの今季54試合で25通り以上の打線を組んでいる。こと4番に関しては前監督を反面教師にした方がよさそうだ。