“苦戦の戦犯”は金本監督 阪神の凡ミス多発は意識の低さ
選手は監督の「鏡」だ。
金本監督が11日、借金3で終えた前半戦の総括会見を行い「想像していたよりは厳しい前半戦になったのかなと思ってます」と言った。「厳しい」と感じる部分については「守備面でのミスからの失点と打つ方。得点力不足とあとは内野の守備の乱れ。その2つが大きかった」と分析した。
確かに前半戦の阪神は攻守ともに凡ミスが目立った。開幕2試合目の巨人戦では上本とロサリオが牽制死。5月9日の巨人戦でも、七回無死一、二塁で二塁走者の大山が沢村に刺された。
一塁手の陽川は併殺狙いの送球に足を伸ばさずアウトにできず、二塁の糸原は平凡なゴロでも併殺を決められない。7月1日のヤクルト戦は1点差で逃げ切ったものの、九回無死一塁で中谷はバントを失敗。挙げたらキリがない。
金本監督は、速い球を投げる投手に本塁打が打てる打者が好みだという。緻密な野球で「1点を守り切る」というベンチワークは見てとれない。元巨人の高橋善正氏(評論家)がこう言う。
「牽制死が多発している点だけを見ても、金本監督が選手に細かい野球を要求していないことがわかる。バッテリーや野手が牽制で走者を殺す意識が高ければ、自分が走者の時『ここは牽制がくる』とわかるものです。巨人V9の川上(哲治)監督は『選手のミスで何が一番悪いかといえばイージーミス』と言った。チームに与える影響が大きいからです。接戦の後半、1死一、二塁で併殺と思ったら、野手のミスでチェンジにならない。投手はガクッときてメンタルの疲労度が増す。ミスは完全には防げなくても、監督やコーチは同じミスを繰り返さないために選手に練習をさせるものです。阪神に凡ミスが多いということは、監督がそれを徹底させていないか、その意識が低いということでしょう」
阪神の大ざっぱ野球は監督に問題ありだ。