ZOZO騒がれた日の皮肉 老舗球団は新興勢力に5年で抜かれる
一昨年のワールドシリーズを制したカブスの編成トップのエプスタイン氏は弁護士資格を持ち、28歳でレッドソックスGMに就任して実績を積んだ。昨年まで5年連続地区優勝したドジャースの編成トップであるフリードマン氏はウォール街の投資銀行出身。28歳でレイズGMとなり、結果を出してヘッドハンティングされた。
昨年世界一になったアストロズは、元経営コンサルタントのルノーGMが物理学者やエンジニア、数学者らを雇い、「フライボール革命」で旋風を巻き起こした。4大スポーツ間での人材交流も行われ、球団は専門家集団として機能している。スポーツビジネスに興味のある大学生をインターンで登用するなど、人材育成にも力を注いでいる。
MLB事情に詳しいスポーツライターの友成那智氏は言う。
「起業家がオーナーを務めるメジャーとは違い、巨人も阪神もオーナーは『年功序列型』のサラリーマンです。巨人には社外出身者の取締役が1人いるとはいえ、フロント幹部は親会社からの出向者ばかりで、編成や運営など“その道のプロ”は不在です。ソフトバンクにも親会社からの出向者はいますが、マスコミや鉄道会社が親会社になっている球団の現幹部は、IT企業の人たちと比べて若い頃に、大きなイノベーション(革新)を経験していない。時代の変化に敏感で、既存の枠や思考にとらわれない手法を取れるとは思えません」