履正社に九回2死から大逆転も…大阪桐蔭には意外な死角が
史上初の2度目の甲子園春夏連覇を目指す大阪桐蔭が27日、北大阪大会準決勝でライバル履正社との激戦を制し、決勝進出を決めた。
3―1の八回裏、先発の根尾が3点を取られ、逆転を許した。1点を追う九回表、2死走者なしまで追い詰められたが、まさかの4連続四球で同点。6番の山田が左前へ勝ち越しの2点適時打を放ち、土壇場で6―4と逆転した。薄氷の勝利に西谷浩一監督(48)は「棺おけに片方の足が入ったというか、両足が入るぐらいまで来たけど、みんなの粘りが実を結んだ」と興奮気味に振り返った。
スポーツライターの美山和也氏はこう言う。
「九回2死2ストライクから、突然ストライクが入らなくなるとは、これが大阪桐蔭のプレッシャーでしょう。それでも試合終盤にエース根尾の球威が落ちていたのが気になります。準々決勝の金光大阪戦で完投して中1日。そこまで温存されていたとはいえ、酷暑のために投手の消耗は想像以上なのかもしれません。西谷監督は複数の投手を抱えていても基本的には1試合1人。継投には消極的な指揮官です。根尾の八回の投球を見ていると、甲子園へ行っても、打線がいいところにはつかまる可能性があります」
元横浜高の部長・小倉清一郎氏も「大阪桐蔭が足をすくわれるとすれば継投ミス。根尾、柿木、横川ら層が厚い投手陣を抱えるからこそ、誰に投げさせるか、交代のタイミングを逡巡して裏目に出るケースがある」と指摘する。横綱にも死角はある。