報徳学園・大角監督が語る ベテラン監督の後を継いだ心境
――責任、ですか。
「誰かをメンバーに選ぶということは、誰かを外さなきゃいけないということ。その責任感がこんなにも重いのかと悩みました。もちろん、これまでも理解はしていたつもりだったんですが……。眠れない日も続きました。夜中にふと目が覚めて、野球のことを考え出す。そうなると目が冴えて眠れなくなってしまう」
――勝てない時期、外部から叩かれたりしませんでしたか?
「それはありませんでした。むしろ、励ましの声が多かったですね。でも、それが自分にとっては凄くみじめに感じてしまった。励ましてくれるのはありがたいことなんですけど、自分としては非常に情けない。むしろ、『憎らしい』という目で見られるくらいでないといけない」
――永田前監督は昨年、本紙インタビューで「有望な子が多いから、来年(今年)の報徳は強い」と話していましたが……。
「力は持っている子ばかり。それは事実です。でも、メンタル面が気になっていた。今年の春までは、負けても悔しいとか、そういう反応を見せなかったんです。負けてもこれをバネに、もっと強くなる、という感じがなかった。悔しさが伝わってこなかったんですね。だから部員を集めて、『それは違うやろ!』と怒った。それから、チームが変わってきました」