「お金使ってでも勝つ」 “女帝”塚原本部長に対宮川の秘策
リオ五輪体操女子日本代表の宮川紗江(18)からパワハラを告発された協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)が31日、夫の塚原光男副会長と連名で文書を発表した。「私たちの言動で宮川紗江選手の心を深く傷つけてしまったことを本当に申し訳なく思っております」と謝罪しながらも、千恵子本部長が監督を務める朝日生命体操クラブへの勧誘を否定。「五輪に出られなくなるわよ」という発言も趣旨が違うと主張した。
今回の騒動をめぐっては、森末慎二や池谷幸雄ら五輪メダリストだけでなく、ロンドン五輪代表の田中理恵などのOB、OGが宮川支持を表明している。第三者委員会の設置を決めた日本体操協会も、徹底的に真実の究明を行う意向。幹部である塚原夫妻との距離を置き始めているが、そこは「女帝」と呼ばれる千恵子本部長である。当然、協会内には「千恵子先生」と彼女を畏怖し、塚原夫妻を支える人間が少なからずいる。千恵子本部長が「もう黙っていないわよ。お金を使ってでも、勝てるところまでやる」と強気に宣戦布告したのも、そんな人間たちの存在が大きい。
宮川が会見で話した「本部長の付き人」もそのひとりだろう。「朝日生命に来れば寮も空いているし、練習もできる」と勧誘してきたというこの付き人の正体は奥主貞子氏。連日、テレビで自宅を出る夫妻の姿が映されているが、そのとき千恵子本部長の運転手として、車のドアを開けている人物こそがこの奥主氏だ。彼女にはもうひとつの肩書がある。「日本体操協会審判委員」。東京五輪強化本部の総務も務めている。