稽古は完全復活…稀勢の里は“ノミの心臓”が本場所のネック
和製横綱がついに腹をくくった。
6日、横綱稀勢の里(32)が阿武松部屋を訪れ、気鋭の阿武咲と14番。その場では「しっかり準備はできた」と話すにとどめたが、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)を通じ、9月場所出場を明らかにした。
先場所まで歴代最長となる8場所連続休場。9月場所の成績次第で土俵を去らざるを得ないことは、誰よりも稀勢の里本人が理解している。7月場所の休場を決めた際には、「来場所にすべてをかけたい」と話していた。
ある親方は「稽古内容が変わった」と、こう続ける。
「休場中は左四つ一辺倒。強引に左を差そうとし、差せなければ何もできない、という相撲しか取れずに苦戦していた。それが夏巡業あたりから、徐々に変わった。左が無理なら右から攻めるといった具合に、相撲の幅が広がってきた。夏巡業で肌を合わせた力士たちも、口々に『いや、やっぱり横綱は強い』と、お世辞抜きに舌を巻いていた。一番強かった頃に比べて左は万全とは言えないが、右も使えれば十分勝ち目はある。優勝争い? それはさすがに無理だけど、勝ち越せるくらいには肉体も復活している」