御嶽海の大関とりに追い風 稀勢の里の去就騒動で重圧低下
先場所、自身初優勝を果たし、9月場所(9日初日)は大関とり。にもかかわらず、さほど話題になっていないのが御嶽海(25)だ。
4日は春日野部屋に出稽古に赴き、大関栃ノ心ら相手に5勝11敗。8月31日に行われた横綱審議委員会の稽古総見では1勝13敗とふるわず、八角理事長(元横綱北勝海)から「気迫不足」と苦言を呈された。
とはいえ、御嶽海はもともと「稽古より本場所」というタイプ。稽古を必死でやってケガをしたらバカバカしい……という、大卒(東洋大)かつ現代っ子力士らしい考えの持ち主だ。
その御嶽海の追い風となっているのが、土壇場に追い込まれた横綱稀勢の里(32)の存在だろう。9月場所が現役最後の場所となりかねないとあって、この和製横綱に注目が集まっている。
「普通、初優勝の上に大関とりともなれば、どこに行くにも相撲担当記者がぞろぞろと後ろをついてくる。週刊誌もネタ探しをするでしょうし、テレビやイベントの出演依頼も殺到する。それが徐々にプレッシャーとなり、結果的に重圧に押し潰されて昇進できなかった力士は少なくない。御嶽海は稽古もプライベートもマイペース。もし、過剰報道でそれが崩されようものなら、大関昇進に赤信号がともったはずです」(古株の相撲記者)
御嶽海は直近の2場所で9勝、13勝。大関昇進は3場所33勝以上が基準とされているので、9月場所は11勝以上がノルマとなる。
あとはこのまま稀勢の里センパイがメディアの目を引きつけてくれれば、昇進は堅い。