5億円の攻防へ 阪神「台湾の三冠王」王柏融獲得は苦戦必至

公開日: 更新日:

 そこで阪神である。

 先日、矢野新監督は新助っ人獲得について報道陣に、「ええの探してこいや。みんなの中でこれやっていう選手を」と、冗談交じりに言っていた。実際、10月11日に金本監督が電撃解任されてから、わずか4日後の15日に就任が決定しただけに、補強構想など頭になかっただろう。監督交代による補強戦略見直しは遅きに失する感もある。

 阪神はもともと今オフのFA補強に消極的だった。金本前監督が最終戦後に「そろそろ補強で勝たれた方がいいと思います」と言っていたくらい。球団は助っ人補強を最優先に考えている。

 年俸3.4億円で獲得したロサリオが不発に終わり、途中加入したナバーロも、3本塁打と長打力に乏しい。入札制度で獲得することができ、今季打率.351、17本塁打、84打点の王柏融は、うってつけの人材だろう。「ただ……」と、さる阪神OBはこう言う。

「フロントは育成路線の継続を念頭に置いている。今年の観客動員は昨年から約13万人減った。CS進出も逃し、収入の大幅減は避けられない。助っ人補強は、年俸3・4億円で獲得したロサリオの失敗が影を落としている。新監督を後方支援するために金庫を開くといっても、巨額資金を使うことはないでしょう。王の入札制度による争奪戦はむしろ、阪神にとって不利になる」

 ラミゴは年末までに移籍先を決定したい考えだが、矢野阪神は初っぱなからつまずくことになるかもしれない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…