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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

錦織圭ツアーファイナルのカギは同組フェデラーの速攻攻略

公開日: 更新日:

 オールラウンドプレーヤーの代表格としてツアーに君臨してきたフェデラーだが、もともとはサーブ&ボレー、すなわち強いサーブで相手を押してネットからボレーを叩く速攻型だった。錦織戦では往年のサーブ&ボレーがきわめて有効に駆使されている。

 錦織の復調の要因はサービス改善で、確かにワイドへのコントロールが向上したが、もともとリターンからストローク戦を軸に展開するタイプ。大会が進んでプレッシャーがかかる局面では、やはり本来のリターンゲームからの組み立てがカギ。これに対し、フェデラーはサーブ&ボレーの速攻勝負で、ラリー戦に持ち込ませない。錦織の深いリターンに、ハーフボレーで対応できるタッチの持ち主だからできるのだ。

 ツアーファイナルは、まず4人2組に分かれ、上位2人がトーナメント戦を組む。錦織はフェデラー、アンダーソンと全仏で完敗したドミニク・ティエムと同じ組。厳しいのは当然だが、注目はトーナメントに進む前にフェデラーを蹴落とせるかどうか。上に進むほど難しくなる。

 錦織の天才的なショットコントロールは認知され、研究されている。フェデラーの精緻なサーブからの速攻を攻略し、ラリー戦に持ち込めるか否かは来季へのカギでもある。短期勝負には強いハズ。仕事納めにいいプレーができれば、来シーズンへの期待を胸に、オフも楽しく過ごせるのだが。

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