錦織圭ツアーファイナルのカギは同組フェデラーの速攻攻略
オールラウンドプレーヤーの代表格としてツアーに君臨してきたフェデラーだが、もともとはサーブ&ボレー、すなわち強いサーブで相手を押してネットからボレーを叩く速攻型だった。錦織戦では往年のサーブ&ボレーがきわめて有効に駆使されている。
錦織の復調の要因はサービス改善で、確かにワイドへのコントロールが向上したが、もともとリターンからストローク戦を軸に展開するタイプ。大会が進んでプレッシャーがかかる局面では、やはり本来のリターンゲームからの組み立てがカギ。これに対し、フェデラーはサーブ&ボレーの速攻勝負で、ラリー戦に持ち込ませない。錦織の深いリターンに、ハーフボレーで対応できるタッチの持ち主だからできるのだ。
ツアーファイナルは、まず4人2組に分かれ、上位2人がトーナメント戦を組む。錦織はフェデラー、アンダーソンと全仏で完敗したドミニク・ティエムと同じ組。厳しいのは当然だが、注目はトーナメントに進む前にフェデラーを蹴落とせるかどうか。上に進むほど難しくなる。
錦織の天才的なショットコントロールは認知され、研究されている。フェデラーの精緻なサーブからの速攻を攻略し、ラリー戦に持ち込めるか否かは来季へのカギでもある。短期勝負には強いハズ。仕事納めにいいプレーができれば、来シーズンへの期待を胸に、オフも楽しく過ごせるのだが。