大谷は選手間新人王落選…中南米組織票と二刀流への反発か
二刀流の2冠達成はならなかった。大リーグ選手会(MLBPA)は28日(日本時間29日)、選手間投票で決まる今季の「プレーヤーズ・チョイス・アワード」の受賞者を発表。新人王に相当する「アウトスタンディング・ルーキー」には、ア・リーグではヤンキースのミゲル・アンドゥハー内野手(23)が選出された。
同内野手は、149試合に出場して打率2割9分7厘、27本塁打、92打点。打撃成績では大谷(104試合で打率2割8分5厘、22本塁打、61打点)を上回った。右肘を痛めて離脱した大谷とは異なり、シーズン通じての活躍を評価されたとみられるが、アンドゥハーが選ばれたのはそれだけではないだろう。大リーグの人種構成も大谷が選手間投票で支持を得られなかった理由のひとつだ。
今季、30球団の開幕ロースター877人(故障者リスト入り選手も含む)のうち、中南米諸国出身者は219人。全体の約25%を占める。これに、ドミニカ共和国などにルーツを持つ選手も含めれば、ヒスパニック系選手は全体の4割近くに達するとされる。
中南米出身の選手は、同郷のよしみに加え、マイナーから苦労してはい上がってきた選手が多く、結束が固い。オールスターの選手間投票にしても、前半戦の成績に遜色がなければ、同じルーツを持つ選手に投票する傾向がある。今回のMLBPA表彰でも、中南米出身の選手は、大谷ではなく、ドミニカ人のアンドゥハーを選んだとみるのが妥当なところだろう。