JOC竹田会長の「政治五輪」象徴コントにバッハ会長が苦言
「パトリオティズム(愛国主義)は健全な心の持ち方で、それがナショナリズムに変わったとき、我々はそれを許すことはできない」
前出の春日氏がこう解説する。
「バッハ会長はここでスポーツの『自律』の重要性を訴え、スポーツは自由で、どんな権力もそこに立ち入らない、と説いたのです。政権が変わると政治の方針が変わり、各国間の関係にも変化が起きることがある。それによってスポーツが支配され、差別が生まれたらオリンピック精神に反することになります。最近は『スポーツは政治に負けない』という根本的な精神は薄れ、パワハラなどスポーツ界で不祥事が起きると『国が何とかして』となりますが、国が介入すればスポーツではなくなる。いつまで経ってもスポーツ界は良くなりません」
5年前、五輪招致のプレゼンで福島原発事故を「アンダーコントロールされている」とうそぶいた安倍首相。今回の一件で日本はまたひとつ、信頼を失った。