パワハラ“無罪” 塚原夫妻復権で加速するスポーツ界の退化
そもそも、宮川が協会を通さずにパワハラ告発に踏み切ったのは、協会への不信感があったから。宮川の勇気ある行動に体操界で多くのOGらが支持する声を上げていたのは、そのような実態を知っていたからだろう。しかし、そんな声も完膚なきまでに潰された。
「体操協会の“判決”は、今後の日本スポーツ界の進歩を妨げ、むしろ退化させることになるでしょう」と話すのは、スポーツライターの工藤健策氏だ。
「この先、同じようなパワハラ被害があったとしても、悩みを抱える選手が声を上げづらくなってしまった。これでは宮川選手も報われない。いつも一番苦しむのは現場の選手です。物を言えない周囲の大人が問題で、選手の味方につかず、悪いことを悪いと言えない大人が残る。パワハラ指導者はそういう人たちを周囲に集め、自分たちばかりが前に出る、塚原夫妻は一刻も早く現場から去るべきです」
東京五輪まで1年半。スポーツ界の時計は逆戻りしている。