著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

巨人から移籍の長野は実質的な広島史上初の「FA獲得選手」

公開日: 更新日:

 FAがらみ以外では09年に横浜を自由契約になった石井琢朗を獲得したことがあったが、当時の石井は全盛期を過ぎているどころか、すでに現役晩年にさしかかっていたため、主力として働いたわけではない。外様の大物選手が広島に移籍して主力級の働きをした例というのは、78年に金銭トレードで獲得した江夏豊まで遡らないと出てこないのではないか。

 ちなみに、その江夏はご存じの通り広島で大活躍したあと、80年に日本ハムに交換トレードで移籍。そのとき、広島は交換相手として通算169勝の大物投手・高橋直樹を獲得したが、高橋は広島で満足に働くことができなかった。また、その後の83年にはこれまた交換トレードで阪急の主砲・加藤英司を獲得したが(放出したのは水谷実雄)、その加藤も広島では低迷し、翌年にはさっさと近鉄に移籍した。やはり江夏のような外様の大活躍は広島の球団史にとって希少なことである。

 したがって、今回の長野は広島にとって久しぶりの外様スターの加入であり、球団初のFA獲得選手みたいなものだ。黒田や新井の広島復帰時とは別種の大きな高揚感がある。主力の流出と違って外様の大物選手を迎える経験値は少ないものだから、広島がどんなふうに長野を扱うのかだけでも興味津々だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動