まさかの連敗…衰え顕著な白鵬が失っていた“2つの武器”
呆然自失の中、座布団のシャワーを浴びた。1敗の横綱白鵬(33)が24日、まさかの連敗を喫した。モンゴルの同郷である相手の玉鷲(34)はもっか2敗で、自身とは星1つの差。勝てば優勝をほぼ手中にできた一番で、まさかの番狂わせが起きた。
立ち合いから押し相撲を選択し、一度は玉鷲を土俵際に追い詰めたが、いなされて体が半回転。相手に背中を向けてしまった。何とか向き直って体勢を立て直そうとするも、そこへ突進してきた玉鷲に、白鵬はあっけなく押し出された。
これで1敗力士がいなくなり、白鵬、玉鷲が2敗。貴景勝らが3敗で追いかける形となり、優勝争いは混沌としてきた。
白鵬は前日、手負いの御嶽海に今場所初黒星。あからさまなケガ人相手ではやりにくかった面もあるだろうが、この日は言い訳できない完敗だ。
ある親方が「はっきりと衰えが出始めている」とこう続ける。
「ここ最近、ヒジ打ちや張り差しを武器にしていたのも、速攻相撲で体力不足をカバーするためです。ところが、横審に『取り口が横綱らしくない』と注意され、封印せざるを得なくなった。それでも、立ち合いで素早く左の前みつを取って優位な体勢に持ち込むなど、ここ一番の出足の鋭さはまださびついてはいなかった。が、この日は押し相撲で鳴らす玉鷲の土俵で戦った。出足の鋭さという2つ目の武器も通用しないと自身でも悟ったからですよ。10日目まで全勝街道を突っ走っていたとはいえ、土俵際で何とか逆転するような際どい相撲が多かった」
白鵬は土俵際から逆転負けを喫したことについて、「勝負あったと思ってしまった」と話した。勝ち急ぐあまり、肝心の判断すら誤ってしまったのも白鵬らしからぬミスだ。2敗で並ばれたことに関して「(残り)3日間、引っ張っていくだけです」と話した横綱。それだけの力が残っているかどうか……。