大坂なおみの世界1位を手放しで喜べないテニス協会の胸中
■フェド杯、五輪は重要な財源
いまから1年前、全豪4回戦だった大坂の世界ランクは53位に過ぎなかった。たった1年で世界の頂点を極めてしまったことで、協会は「痛し痒し」どころか、むしろ打撃を受けるという見方もある。
「大坂は一躍、世界のトップに躍り出てしまったことで日の丸どころではなくなった」と、別のマスコミ関係者がこう続ける。
「大坂は昨年、フェド杯に出た。当時はまだ、4大メジャーどころじゃなかったが、頂点に上り詰めたいまは訳が違う。東京五輪には出るだろうけど、基本的にはツアー優先でランキングを維持する必要がある。ただ、テニス協会にとってフェド杯や五輪は重要な財源です。フェド杯は分配金があり、五輪は何より結果が求められる。強化の拠点を国立スポーツ科学センターやナショナルトレーニングセンターに置き、JOCの助成金に頼るところは大きい。フェド杯や五輪で結果を出さなければカネも施設も満たされないのに、大坂は一足飛びでツアー優先の選手になってしまったわけですから」
■協会幹部が玉拾いの手伝い