大坂なおみの世界1位を手放しで喜べないテニス協会の胸中

公開日: 更新日:

 錦織は16年のリオ五輪で銅メダルを獲得したものの、本心は出たくなかったのだろう。「(ゴルフの)松山君が出ないというのを(ネットで)見て、僕もあまり出たくないなと思いました」と話したことがある。リオ五輪は照準を合わせていた2つのマスターズのちょうど中間にあるうえ、その年から五輪がツアーポイントに加算されなくなったことも大きかったに違いない。

 だからこそ協会は「愛国心」や「日の丸」をエサにして錦織を五輪に引っ張り出そうともくろんだし、五輪で商売したいスポーツ紙もまるで協会のたいこ持ちみたいに出場ムードをあおった。

 錦織は結果として五輪に出場、メダルまで獲得して日の丸に貢献したが、二重国籍の大坂に東京五輪以降も日の丸を背負わせることができる保証はどこにもない。

 まして大坂はすでに世界の頂点を極めたテニス界のトップ選手。早くも5月下旬の全仏や7月の全英(ウィンブルドン)も勝てるのか、世界中で注目されている。今回の快挙で、協会が大坂を日本という枠に閉じ込めておくことはいっそう難しくなった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が