春のセンバツに出場でも「プロ注目の選手」には騙されるな
23日に始まるセンバツに向けて、スポーツ紙や雑誌に「プロ注目の……」という形容詞があふれ返っている。
「プロ注目の140キロ右腕」とか、「プロ注目の左の本格派」といった具合さ。
どの球団もキャンプが始まるころには、今年のドラフトに向けた最初のスカウト会議を済ませている。会議用にスカウトが担当地区の注目選手をリストアップしているのは事実だ。
けれども、オレたちがチェックしたのはあくまでも昨年の秋季大会や練習試合であって、センバツが行われるのはそれから3カ月も4カ月も後になる。実際に甲子園で見たら上から投げていた投手が横手投げに変わっていたり、体の開きが早くなってフォームがバラバラになっていたりするケースも中にはある。
だからこそ秋の状態をもとに作成したリストは、参考にしてもうのみにはするなってのが部長の持論だ。つまりスポーツ紙が「プロ注目」って書いてる選手のことだ。
■「甲子園で見ると“あれっ?”」
「地方の球場でプレーする選手は、なぜか良く見えるものさ。甲子園と比べたら対戦相手のレベルも低いし、地方球場はファウルゾーンも狭く、オレたちが比較的、近い位置から選手を見ることも関係しているのかもしれない。だから自分がリストに載せた選手でも、甲子園で見ると“あれ? こんな選手だったっけ”って思うことが結構あるんだ。逆にリストに載ってなかったり、マスコミがノーマークの選手にも掘り出し物はいるから、自分の目できちんとチェックすることが重要なんだ」