163kmにプロ驚嘆でも 佐々木朗希に「大船渡高」ゆえの不安
大船渡は1984年のセンバツで4強入り、「大船渡旋風」を巻き起こし、夏も甲子園に出場したものの、甲子園に駒を進めたのはこの年の2回だけ。最近の岩手は花巻東、盛岡大付の2校がしのぎを削っていて、大船渡はいわゆる「地方のフツーの県立校」だ。
「だからこそ佐々木には不安もある」と、セ・リーグのベテランスカウトがこう続ける。
「地方の公立でも松山商や熊本工、甲子園に春夏合わせて9回出ている金足農などの伝統校はともかく、大船渡はOBや周囲や学校から甲子園に出ることを義務付けられてはいない。選手はつまり、甲子園常連の私学や伝統ある公立校ほど追い込んだ練習をしているわけではないのです。だからプロの練習に耐えられる体ではないかもしれないし、スタミナも不足している可能性がある。
佐々木が今後、170キロの剛速球を投げたとしても、試合終盤や連戦になれば球威は落ちるし、日頃からみっちり鍛えられている野球学校の打線にはつかまるでしょう。まして佐々木はプロ球団が絶賛する選手。甲子園に出て勝つことを求められている私学の請負監督なら多少の無理遣いもするでしょうけど、大船渡の国保監督は筑波大出身の教諭です。佐々木を酷使して壊すことだけは避けたいはずですから」